私の住んでいる敷地内には廃虚化したお堂があります。
今から7年前、マイケルがここに洗礼で立ち寄ったとき、お堂に住んでいた猪熊寛と出会い、二人の三ヶ月間同居生活がこのお堂で始まった…。
二千一年十月九日、午後二時半から四時十五分の間の、ある瞬間突然に、マイクがお堂であの世に旅立った。蜂などに刺された時の抗体注射を打った形跡があるが、死因が確定しないまま、長野原警察の刑事が遺体を警察署に護送していった。たまたま鑑識の医師が学会に出ていて現場に来られないことと、このお寺では、照明が暗くて満足に調べられないというのがその理由である。
マイクの上司、門脇神父がやってきた。キリスト教の儀礼に従って祈ります。
葬儀は四谷上智大そばの協会で行われた。
二千一年十一月三十日午後五時十分、ユナイテッド航空UA800便のジャンボ機で、
猪熊寛はマイクの故郷へ悲しみを届けに向かっていた。
「この記事は私が発行していた北軽井沢新聞、連載の抜粋記事(一部分)です」
霊操経験を有する門脇佳吉氏は,. キリスト教の神体験と坐禅の体験とが霊操を通じてきわめて近似しているのと、霊操にもとづく修道生活が多くの点で禅の僧堂生活に似ていると説いています。
(霊操)カトリック教会で、黙想による修行法。心霊修行。
毎年夏には門脇氏が招いた世界中からの修行者がこのお堂の前にある池に(周囲200メートル)15人程が距離をおき、坐禅と黙想にふけるその心霊修行の光景は神秘さえも感じてしまいます。
今は亡きマイケル。
下段の写真は確認中です(マイケルの遺品から…世界的高名な方々だと)